“さえりさん”の優しいことばに、私たちは今まで幾度の共感をしたのか。#しあわせことば

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2月26日、渋谷の「BOOK LAB TOKYO」で フリーライター・夏生さえりさんのトークイベントが行われました。
登壇者は、夏生さえりさん(@N908Sa)とモデレーターの最所あさみさん(@qzqrnl)の2名。

妄想ツイートをはじめ、共感を生み出すことばを今まで届けてきたさえりさん。
多くの若い女性に共感、やさしさ、温かさを届けるさえりさんのことばは、どのようにして生まれているのでしょうか。
今回は、『小さな幸せを紡ぐことば』をテーマに行われたトークの様子をレポートしていきます。至らぬ点もあるかもしれませんが、ぜひ一緒に楽しむ気持ちでご覧いただけると嬉しいです。

ちなみに、ハッシュタグは「#しあわせことば」。イベント中の空気感を感じることができるので、ご興味ある方はぜひ合わせてご覧ください!

夏生さえりさんって?

まずはじめに、今日の登壇者・夏生さえりさんのご紹介から。

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夏生さえり(なつおさえり)。文章を書く人 。Web広告記事、取材記事、物語、エッセイ等。(ツイッタープロフィール:@N908Saより)

【夏生さえり】
フリーライター。新卒で入社した出版社を経て、Web制作会社「LIG」に編集者として入社。
2016年3月に退職し、翌月からフリーとして活動を開始する。

そんなさえりさんの代名詞は、妄想ツイート。

2015年にWeb制作会社の「LIG」に入社した際に、「Web系のパワフルな会社だから、自分も発信力をつけよう!」「終電で帰る毎日を繰り返すと想像力が死んでしまう!」と、妄想ツイートの投稿をはじめたといいます。
初めの頃こそはいろいろな種類の想像をツイートに落とし込んでいたものの、恋愛形のツイートがだんだんと注目を集めるようになったのだそう。

また、ライターとしてはエッセイやコラム、動画の原作など、文章を軸にしてさまざまな活動をされています。
最近公開された記事はこちら。

さえりさんの「あまい話」ができるまで

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妄想ツイートが注目を集めたことをきっかけに、ライターとしての活動へと繋がったというさえりさん。
はじめに、さえりさんの原点ともなった妄想ツイートのつくりかたについてのトークから始まります。

“日常”を感じさせる妄想のタネは、“日常”から見つける

最所あさみさん(以下、最所):「そもそも、妄想ってどこから湧き出てくるんですか? どんどん溢れているんでしょうか?」

夏生さえりさん(以下、さえり):「そんなことないですよ〜妄想がどんどんと溢れてくるわけではありません(笑)。もともとは、トレーニングのような気持ちで始めたことだったんです。いろいろな内容の妄想(想像)を膨らませてツイートをしていた中で、恋愛の想像ならずっと考えていても苦じゃないなって思って続けていて。そしたら、さまざまな方が読んでくださるようになった、という流れですね」

最所:「そうだったんですね!(笑)妄想の内容って、自分の理想みたいなことから考えているんですか?」

さえり:「そんなときもありますね。あとは、“今この時間だったらみんなはなにしてるかな?”ってフォロワーさんのことを想像して書いたりもしてますよ。会社終わりとか、夜寝る頃とか、出社のときとか。このシチュエーションならこう言われたいかな?とかっていう風に」

最所:「へー! そういうのって、リサーチをしてつくっているんですか?」

さえり:「自分と同じことを考えている人がいるかな?って思ったら、検索しますよ。たとえば、ツイッターで「雨 出たくない」とかって検索して見つけた人のツイートに飛んで、その人がどんな悩みを抱えているのかとか見たり。「彼氏 涙」とか調べると、遠距離恋愛でなかなか会えないカップルが出てきたりするんです(笑)」

最所:「検索のリテラシーに左右されそう! そういう活動が、編集者時代からの企画に活きている実感はあるんですか?」

さえり:「うーん、どうなんでしょう。でも、たしかにツイッターのおかげで、人の気持ちを推し量るのが得意になったようには思います。ほかにも、街中にいる人の話を聞くのも好きなので、何気ない会話を聞いては“こんなシチュエーションなのかな?”って想像を膨らませています」
(ちなみに、何気ない会話から生まれた「【連載】さえりの”きっと彼らはこんな事情”」の連載もおすすめです)

最所:「そうなんですね。リサーチには、ツイッター以外にもインスタとかって使うんですか?」

さえり:「写真は難しいですね。着飾ってしまうこともあるかなって思っていて(笑)。みんなの日常を知りたいので、できるだけ何気ないツイートを見るようにしています。とくに、見られていないと思っている人のツイートを見るのが好きなんですよね。人気のツイッタラーさんのツイートをファボした方を辿ってみたりして、どんな日常を過ごしているのかと覗かせてもらってます」

最所:「それは、ネットストーカー力(りょく)高い(笑)。そういったリサーチをしっかりと行なって、あの妄想ツイートやコンテンツは生まれているんですね」

さえり:「そうなんです。あと、ストーリーをつくるにあたっては、少女漫画や恋愛映画なんかが好きだと思われていることが多いんですけれど、じつはそんなことありません。本当に人並みに見てきたかな〜くらい。だから、妄想をつくるときにはまず頭の中で恋愛のシチュエーションを“映像で”思い浮かべるんです。その映像を言葉に落としてこんで書くっていう風にしながらストーリーをつくっています。映像がなかなか出てこないときには「白シャツ」とかってキーワードとシチュエーションを決めてからつくることもありますね」

さえりさんが選ぶ!「私を育んだ名作」

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今回のイベント会場となった渋谷の「BOOK LAB TOKYO」は、本屋とカフェが一体となって空間を提供しています。そこで、今回のイベントではさえりさんを育んだ名作として、7冊の本をご紹介いただきました。


さえり:「村上春樹さんの訳がいいですよね」


さえり:「江國さんの形容詞の使い方が好きなんです」


さえり:「短編集なんですけど、どのお話も最終的には繋がっていくっていうおもしろさがあります。あと、主人公がみんな振られてばかりなんですよ(笑)」

さえり:「こう並べてみて思ったのですが、失恋もののお話が多いですね(笑)。喪失感があったほうが小説はおもしろいのかな。しあわせホワホワ系は、読むのは読むけれどあんまり印象には残っていないかもしれないです」

最所:「たしかに意外にも失恋ものの本が多い……(笑)。ちなみに、普段読む本はどうやって選んでいるんですか?」

さえり:「姉が本を好きなので教えてもらっています。あと、じつはブックオフも好きなのでそこから見つけていて、“今日は100円のコーナーから1冊買おう〜”って決めてますね。だから、あんまりベストセラーといわれる作品は読まないです」

最所:「そうなんですね〜。こういった作品の内容は、ツイートの参考にはしてるんですか?」

さえり:「あんまりしていないかも。もしかしたらどこかで影響を受けているのかもしれないけれど、意図していて参考にすることはないですね」

「相性のいい仕事を見極める」多くの人にコンテンツを届けるための意識

現在、ツイッターで13万人を超えるフォロワーを持つさえりさん。話題は、たくさんの方に記事を読んでもらうために心がけていることへと移ります。

さえり:「心がけてることかぁ、いっぱいありますね。わかりやすく書くとかはもちろんのことですし……すごく大事にしていることは、立場の違う人がこの記事を読んだときに本来込めた意味とは異なったニュアンスで受け取られないかどうかということ。意図しない内容になっていないかとか、誰かを責めるような内容になっていないかとか」

最所:「そんなつもりでは書いていなくても、自分ではない誰かが読んだら違う意味に取れてしまうということ、ありますよね。さえりさんは、だいたい1本の記事をどのくらいの時間で書いているんですか?」

さえり:「取材の記事は、時間にすると1日くらいだと思うのですが、寝かして再度読み直しているのでだいたい合計で2〜3日くらいです。エッセイとかコラムになると、数時間くらいで書き上げていますね」

最所:「取材やエッセイ、コラムまで活動されていると、いろいろなテーマでのお仕事のご依頼がありますよね。中には、引き受けることを“うーーーーーん”と考え込んでしまうような企画をいただくこともあると思うのですが、そういった際にはどのようにお答えしているんですか?」

さえり:「どのように調理しても多くの人には読まれない(=バズらない)だろうなっていう企画だった場合は、最初からお断りしています。というのも、わたしのツイートを読んでくださっているのは20代の女性の方が多いんです。だから、その方々に届くためには、テーマに興味がある人の母数の大きさとか、ツイッターにいる人にウケやすい企画なのかどうかとかっていうのを考えないといけないなと思っていて。わたしが引き受けて相性のいいお仕事と、そうでないお仕事があるはずなので、その判断はしていますね」

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最所:「そうは言っても、なかなかお断りするのって大変ですよね。断われるようになったのはいつ頃だったんですか?」

さえり:「とっっっても勇気がいることなのですが、じつは最初からお断りしていました。わたしは記事を書いてから、拡散するまでが仕事なんです。記事の反響が次の仕事にも必ず繋がっていくので、次のお仕事を呼ぶことが難しそうなお仕事は最初からお断りしています。あくまで、わたしが届けることでたくさんの方に読んでもらえると思ったものを選ばせていただくようにしていますね

最所:「読者の方が読んでくれたり、シェアしてもらうことまでがさえりさんの役割ですもんね。記事をシェアしてくれた方のリツイートとかエゴサーチは結構見てますか?」

さえり:「エゴサーチは死ぬほどしてますよ〜(笑)。リツイートは、タイムラインにノイズを入れないようにしたいのでサブアカウントのさえりぐ(@saeligood)でときどきします。すごく素敵なシェア文を付けてくれるときには積極的にリツイートしていますよ」

書籍を出版して気づいた、誰かに届くまでの道のり

昨年、さえりさんは3冊の著書を出版されています。紙媒体とWeb媒体を経験して感じた違いにはどんなことがあったのでしょうか。

さえり:「紙の執筆経験があんまりないのでWebについての観点で答えたほうがいいと思うのですが、Webの記事ってどれもありふれた記事の中の一つでしかないんですよね。だから、読者の方が“わたしが読んでも素敵な情報をもらえるだろう”と思ってもらえるよう、意識して記事を書かないといけないなと改めて実感しました」

最所:「書籍の出版を経験してみての気づきはなにかありましたか?」

さえり:「紙媒体を経験して一番実感したのは、反応が返ってきにくいっていうことですね。どうして本を購入したのかとか、購入してから読んだのかとか、そういうこともわからないままだし。あと、Webの記事は無料で読めるけれど本はそういうわけにはいかないので、購入してもらうことの難しさも感じたポイントです。とはいえ、多くの方が読んでくださったり、書店で見つけました〜!とリプライを送ってくれるので、フォロワーさんにはちゃんと届いてるんだなって思っています」

最所:「書籍を購入してくれた方とのやりとりには、ハッシュタグを使われていましたよね。書籍のタイトルをつけるときにハッシュタグのことも考えたんですか?」

さえり:「考えていたら、なかなか「今日は、自分を甘やかす」って点(、)は付けられないですよね(笑)。でも、「#とび春」(今年の春は、とびきり素敵な春にするってさっき決めた)みたいに略語はつくったので、そんな形でコミュニケーションをみんなと取れたらいいなという想いはありました」

女心を掴む企画はどこから生まれるのか

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ここまででも相当たくさんのお話を伺っているのですが、じつはやっと前半戦が終わったばかり。後半では、「あまい話」ができるまでーー企画の立て方にまつわるトークが続きます。

さえり:「最近では、胸キュン形の動画の監修や脚本を担当させていただくようになりました。動画の原案から担当することもあれば、絵コンテを見て細かいテイストを監修するなんてこともあります」

最所:「すごい! 幅広いですねえ」

さえり:「あっでも、とはいえ、わたしはライターなので、文章には必ず片足を突っ込んだ状態でかつ映像のお仕事というもののみに絞っています」

最所:「文章にまったく関係のないお仕事依頼もあるんですか?」

さえり:「ありますね。広告動画の出演だけしてほしいとか、“〇〇を紹介してください!”とか、いろいろと……(笑)。でも、ライターである以上は動画の原案を文章で書くなり、なにかしら文章とのつながりを持った状態でのお仕事をお引き受けするようにしていますね」

女性向けコンテンツを届けるために必要な日常感

最所:「女性に向けたお仕事をされていることが多いと思うのですが、コンテンツを届ける上で気をつけていることや、大事だと思うことはどんなことですか?」

さえり:「日常を感じられるような雰囲気を生み出すことですね。最近、ご連絡いただくお仕事に少女漫画を実写化したような動画の監修とかがあるんですよ。もう、きっと見ている側が“ワーーッ”てなって恥ずかしくて見ていられないような」

最所:「いわゆる、王道の恋愛ドラマのような?」

さえり:「そうです! キスするとか、壁ドンとか、顎クイとかって、テレビの向こうで人気の女優さんがされているなら“いいな〜”って思うものの、Web上で見ていたら恥ずかしくなっちゃうと思うんですよ。だから、見る人のシチュエーションとか雰囲気とかはすごく意識しています。電車の中でも気にせず見て欲しいし、周りの友人とのシェアもしてほしいですしね。そういう意味では、わたしの普段の妄想ツイートも日常感を大切にしていますよ。10人が読んだら、2〜3人くらいは“経験ある!”って言ってくれる、2〜3人くらいは“いいなぁ〜”と言ってくれる、そして残りの人が“そんな人いないだろ〜〜!?”って言ってくれるくらいの割合です(笑)」

最所:「シェアのモチベーションを分けているんですね。“わたし”を主語にできるようなコンテンツだったりとか、読者の方が女性の場合は比較的シェアしてくれやすいですよね」

さえり:「そうですね。“見て見て〜!”って言いたくなっちゃうのはどちらかというと女性のほうが多いと思います。だからこそ、シェアしやすいコンテンツにできるようにするっていうことは、ずっと意識していますよ」

女性らしい感覚や感性は、すぐそこでも見つけられる

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冒頭で話題にのぼった“知らない誰かのツイートを検索すること”にもつながりますが、女性の気持ちを推し量るためにさえりさんが意識しているのはどんなことなのでしょうか。

さえり:「じつは、「Yahoo!知恵袋」とか「発言小町」が好きなので、そういうメディアを読むことで知る価値観がありますね」

最所:「発言小町!? 結構ドロドロしたものも読むんですね!」
(※発言小町:旦那に不倫されたとか、姑関係で悩んでいるとかの類の質問が比較的多い質問箱)

さえり:「読みます読みます!(笑)。そういうものも読んでいるからこそ、浮世離れしたものばかりではなく日常に寄せたものをつくることができるのかもしれないです」

最所:「コンテンツを炎上させないための対策にもなりますか?」

さえり:「いろいろな立場を知るためにはすごく良い方法だと思いますよ。わたしでは気にもならないようなことを気にする方もいて、新しい発見があります」

最所:「さえりさんは、“女性”と一括りにするのではなくさまざまな女性を思い描いてコンテンツを生み出しているんですね」

さえり:「そうですね〜。世の中にはわたしの知らない人がたくさんいると思っているので、その感覚や価値観を少しでも知ることでコンテンツに活かしていけるのかなと思っています」

共感を生むための「マイルール」

インフルエンサーとしての道を築き、たくさんの方に“はっぴー”を届けるさえりさん。
お仕事をする上で大切にしているマイルールのお話になると、まっすぐと私たちを見つめてこう語ります。

「わたしは、人をはっぴーにするものをつくりたいと思っているんです。今そこにあるものを、好きになるようなものをつくりたい。そう思っているんです」

大きなしあわせではなくても構わないから、小さなしあわせを大切にできる人でありたい。
さえりさんの優しいことばに救われる方がたくさんいるのは、きっと、コンテンツを通してさえりさんが持つ優しさに触れることができるからなのでしょう。

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さえり:「文章を書く上では、強い言葉を使わないということに気をつけています。読者の方に、“この人になら(自分の気持ちを)わかってもらえそう”とか、“わたしの感覚と近そうだな”って感じてもらえるのも一つのテクニックだと思っているので、誰かを傷つけないための言葉選びをしています」

最所:「たしかに、さえりさんの文章には“勝つ”とか“負ける”っていう言葉が入っていないですよね。一刀両断ではなく、解釈に幅を持たせてグラデーションを付けるイメージでしょうか?」

さえり:「そうです。そもそもわたしに“勝つ”とか“負ける”っていう野心がないからかもしれないけど(笑)。妄想ツイートではイメージがしやすいように具体性を付けるんですけど、コンテンツのときは違って。できるだけ多くの方に“自分ごと”として捉えてもらうために、幅を持たせた言葉を使うよう意識しています」

最所:「ちなみにさえりさん、炎上ってしたことは……?」

さえり:「ないです。ただ、炎上ではないのですが、以前【結婚したい】年下彼氏と結婚するまでに踏みたい理想のステップ71って記事を書いたときには、とっても読まれて(バズって)2chのスレッドにまでまとめられていたんですよ。普段では読まれないような方にも届いて、普段ではいただかないリアクションもたくさん見たので“わーーー!きたーーー!すごーーーい!”って思いましたね(笑)」

さえりさんの、これからの挑戦

トークの最後には、さえりさんのこれからチャレンジしたい夢についてのお話を伺いました。

最所:「今や、映像や写真なんかもどんどん人気になっていて、正直テキストだけでこれから先も活躍していくのは大変だと思います。さえりさんがこれから挑戦したいことはどんなことですか?」

さえり:「そうですね〜これといった野心はないのですが、脚本のお仕事をもうちょっと頑張りたいなって思っています。あと、これはずっと言っている夢なのですが、将来は子どもを産んでママブロガーになりたいですね」

最所:「将来も妄想をしてるんでしょうか?(笑)」

さえり:「子どもができたら、きっと今のようなゆるふわパーマの彼の妄想はできなくなるような気がします(笑)。今しか書けないことは、今のうちに書いていきたいですね」

最所:「これから先は、自分自身の肩書きも変わってくると思いますか?」

さえり:「どうなんでしょう……想像つかないです(笑)。でも、全然思いつかないからこそ、今も文章や言葉を書くっていう意味で“ライター”と言っているかもしれませんね。わたしが将来も続けたいことは、“はっぴー”を届けることですから」

Q&A

トークの最後には、イベント前に最所さんのツイートで呼びかけた質問と会場からの質問を問いかけるQ&Aも行われました。
(ツイートで寄せられた質問はツイートをそのまま埋め込み、会場から挙がった質問は直接テキストで表記しています)

Q.「ライターのお仕事依頼が来るようになったきっかけを知りたいです」

A.「以前勤めていたLIGでは編集のお仕事をしていたのですが、月に必ず1本社内ブログ(LIGブログ)を書かなければいけなかったんです。お仕事の合間に書くのはとても大変だったのですが、せっかくやるなら頑張ってみようと思って。そしたら、想像以上に反響をいただけて、その後個人的にもお仕事をいただけるようになりました。当時からLIGは副業OKの会社だったので、仕事の合間に副業としてライティングのお仕事をしていましたね。先ほどご紹介した年下彼氏の記事も、副業で書いた記事です」

最所:「独立すると決めたときには、たくさんお仕事がある状態だったということですか?」

さえり:「いえ、そんなことは全然なかったですよ。とりあえず辞めてからツイッターで“お仕事くださーい!”って言って、お声がけいただいてお仕事をしてました。独立当時にはすでに8万人くらいのフォロワーさんがいたので、比較的すぐにフリーでもお仕事のできる体制を整えられていたように思います」

最所:「(質問者さんは)さえりさんみたいなライターになりたいと言ってくださってますが、どんなことから始めてみたらいいのでしょうか」

さえり:「今は、わたしも自分自身を表に出したコンテンツを書いていますが、最初の頃はなかなかそれも難しいはずです。だから、最初は前に出ないコンテンツを書くライターでいながらブランディングの土台づくりも一緒に進めていくのがいいと思いますよ」

Q.「自分らしい文章ってどうやったら書けますか?」

A.「自分らしいか……なんだろう(笑)。まず、考え抜いている文章なら、それは間違いなく自分らしくなりますよね。文章っていうよりも、わたしの場合は“ブランディング”に置き換えるとわかりやすいのかも。“考え抜いた結果”にブランディングがあって、そこにわたしらしい記事が付随するんだと思います」

最所:「ライターのお仕事って、クライアントさんとのやりとりが必要ですよね。中には、クライアントさんの要望とさえりさんの想いがハマらないこともあると思うんですけれど、そういった場合ってどうしているんですか?」

さえり:「ちゃんと話し合いますね。わたしは拡散までがお仕事なので、“この文は入れない方がいいと思う”ってしっかりと主張します。なんのためにこの記事を書いているのかさえブレさせなければ、どうするべきなのかはすぐに見えるようになりますよ」

Q.「お仕事のモチベーションはどうやって保っていますか?」

A.「取材のお話を早くみんなに届けたいとか、楽しい企画を思いついたとかで上がるモチベーションがあるので、自分からそんなお仕事をできるように企画したりとかってことはあります。でも、モチベーションを保てないときもあるので、そんな場合には“これを書いたら、コート買おう”なんて考えてます(笑)。働かないとお金が入ってこないので、フリーランスは良い意味でも悪い意味でも仕組みがすごく単純ですよね」

Q.「ロールモデルはいますか?」

A.「いないですね。昔はロールモデルがいないことって心細くてさみしかったんですけれど、わたしみたいな人がたくさんいることに気が付いたし、わたしはこのままでいることで今のようなお仕事ができるようにもなったので、こういう自分でもいいんだなって今は思っています。ちなみに、尊敬している方はあちゅうさんですね」

最所:「さえりさんは、自分自身を前面に出したブランディングのパイオニア的な存在だと思うのですが、意外とその後を付いてくる人ってそう多くないですよね」

さえり:「パイオニアって格好いい〜(笑)。そうですね、これからの時代はいわゆるマイクロインフルエンサーみたいなのも多くなって、小さなコミュニティの中で影響力のある人が増えるように思うんです。自分の好きなことをしていたらだんだんとお仕事ができて“はっぴー”が届けられるようになった、という流れになるのかなって思います。そうなったらいいですね」

まとめ

夏生さえりさん×最所あさみさんのトークをレポートしました!(ヌケモレあったらごめんなさい!)

繰り返しになりますが、イベントのリアルタイムの雰囲気は「#しあわせことば」からご覧いただけます。ご興味のある方はぜひ覗いてみてくださいね。

それでは、最後までご覧いただきありがとうございました!

All Photo by:Takumi Yano(note:https://note.mu/takumi_yano